たまごのパックについて

通常、スーパー等で売られるものは、透明な「たまごパック」に包装される。
たまごパックは従来、塩化ビニール製のものが用いられていたが、近年のダイオキシン問題やリサイクルの普及により、その素材も変化してきている。

1)たまごパック素材の性質

材質表示マーク 素材名
(略称)
素材名
(正式名称)
比重 燃焼カロリー
(1Kg当り)
無害性 リサイクルマーク
(1) A−PET アモルファス=ポリエチレンテレフタレート 1.34 5,500Kcal
(7) P.P.フィラー ポリプロピレン+タルク 1.20 6,000Kcal
(6) P.S. ポリスチレン 1.05 9,900Kcal
(5) P.P. ポリプロピレン 0.90 11,000Kcal

2)たまごパック素材の特徴

素材名 素材原料 素材の特徴
A−PET アモルファス=
ポリエチレンテレフタレート
・A−PETは、木材や紙と同じ炭素、酸素、水素の「三元素」からできています。
・透明性が良く、強度があり、衝撃に強い素材です。
・完全燃焼させると、炭酸ガスと水に変化し、有毒ガスを発生しません。
・不完全燃焼させても、亜硫酸ガスや塩化水素ガスなどの有毒ガスは発生しません。ダイオキシンも発生しません。
・ペットボトルに用いられているように衛生上も安全で、日本での食品衛生法に基づく規格に適応しています。また、公的機関により、安全性が実証されています。
・「ペット樹脂」自体が無添加なため、現在、プラスチック類の中では最も環境にやさしい素材です。
・現在、「リサイクル可能な樹脂」としては、最も注目を浴びており「回収」を前提として流通させることが可能です。
・以上の特性から、現在、プラスチック類の中で最も優位性があるといわれています。
P.P.フィラー ポリエチレン、ポリプロピレン、カルシウム、無機材の新複合材 ・透明性が悪く、半透明なものです。
・燃焼カロリーが低いため、焼却炉を傷めることは、ほとんどありません。
・燃焼時に黒煙が少なく、有毒ガスを発生しません。しかし、約30%の残灰が残り、塩素との反応によってダイオキシンを発生する恐れがあります。
P.S. ポリスチレン ・半透明で、P.V.C.やA−PETと比較すると、強度および透明性に難点があります。
・燃焼カロリーが9,900Kcal/Kgと高く、焼却炉を傷める可能性があります。
・有毒ガスは発生しませんが、焼却後の残灰(スス)に問題があります。
・加熱時に「ベンゼン」が溶出することが問題になっています。
P.P. ポリプロピレン ・耐熱性が110℃と優れています。
・透明性が悪く、強度も若干劣っています。
・燃焼カロリーが11,000Kcal/Kgと高く、焼却炉を傷める恐れがあります。
P.V.C. 塩化ビニール ・燃焼カロリーが、他の素材よりも非常に低いのが特徴です。
・透明性および強度があり、価格も安価です。

上表の素材の他に、通販やスーパー、デパートで扱っている一部に紙を原料とするパックを使用したものがある。これは、「モウルドパック」と呼ばれているもので、従来、生協等でそのまま再使用されていた。しかし、雑菌等の付着により衛生面で問題がある(特に、水に濡れた場合)ことから、再使用を止めたところも多い。 「モウルドパック」は、再使用せず「ワンウェイ」使用するのには、何ら問題はない。また、プラスチック類のパックに比べて強度(振動に強い)の優位性があることから、通販ではよく利用されている。

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