HU値について〜たまごの品質〜
たまごの品質を数値で示すものとして「ハウユニット」(HaughUnit:HU)がある。一般には、あまり知られていないため、ここで紹介する。
割卵して鶏卵の品質を判定する基準としては、アメリカ合衆国農務省規格においては、ハウユニット(HU)基準値が設定されている。
我が国では、養鶏試験場等において、研究者が卵の品質を判断する基準としてハウニット値を測定していたが、数字で示す品質の基準としては、これ以上のものがないため、現在では養鶏試験場等の研究機関、量販店、流通業者の間でも品質の基準としてハウユニット値を測定し、使われるようになった。しかし、我が国での農水省次官通達で示されている「鶏卵取引規格」の中には、ハウユニットという字句は入っていない。
「ハウユニット」または「ハウ単位」というのは、アメリカのハウ(Haugh)という研究者が1937年に濃厚卵白の形態変化に、重量変化を組み合せて「濃厚卵白の劣化度を表す指標」として考案した単位で、次の計算式によって算出される。
1.上式を見ると分かる通り、ハウユニット値は鶏卵の濃厚卵白の高さが劣化とともに低くなっていくことから、品質を判定するものである。
2.濃厚卵白の高さの値は、大きいたまごの方が当然高くなるので、サイズの大小に関わらず同じ基準で比較できるように「卵重」(そのたまご1個の重さ)の要素が加味されている。
3.アメリカ合衆国農務省の規格では、HU値が72以上がAA級(最高級品位)、60〜72未満がA級(高級品位)、31〜60未満がB級(中級品位)、31 未満がC級(低級品位)と格付けされており、我が国でもハウユニットを測定した場合、アメリカの基準に合わせて利用している。
4.一般にハウユニットの数値が大きい場合、「卵の内部品質が良く、新鮮である」と見なされており、産卵直後ではHU値は90前後を示すが、貯卵日数の経過とともにHU値は低下する。
HU値が60以上であれば、鮮度については、ほぼ満足されているが、60以下では古い卵とみなされ、テーブルエッグ(家庭の食卓で使用されるたまご)としては敬遠されている。消費者が口にする段階でHU値が60以上という卵は、販売店の店頭では70以上でなければならない。
5.ハウユニット換算表
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