たまごの種類

1)色による分類

たまごは、一般にスーパー等で売られている白いたまご(白玉)と色の付いた有色卵とに分類される。有色卵には褐色をした赤玉や薄い褐色をした薄赤玉(ピンク玉)がある。
また、珍しいものでは、南米チリ産のアローカナ種という鶏の青いたまごがある。アローカナは世界でも唯一、青いたまごを産む鶏である。但し、青いのは殻だけである。普通のたまごの大きさよりは小さめであるが、黄身の量が多い。
たまごの殻の色の違いは鶏種の違いによるものなので、赤玉だから栄養があるというのは、まったくの誤解である。
鶏卵の殻の色は、鶏の品種(鶏種)によるものであり、羽毛の色とは関係がない。従来は、卵用種といわれている品種の鶏は白色卵(白玉)を産卵し、卵肉兼用種や肉用種は褐色卵(赤玉)を産卵するものとされていたが、現在では多くの採卵用、食肉用の鶏種(けいしゅ:鶏の品種のこと)が作出(開発)されており、この分類は意味をなさなくなった。
黄身の色が濃いと栄養があると思い込みがちであるが、これも誤解である。唐辛子やパプリカ、アルファルファ等を飼料として与えると濃い黄色の卵黄になる。つまり、黄身の色は与える飼料の色に影響するのである。

2)有精卵と無精卵

一般に市販されているたまごの大部分はケージ飼いがほとんどであり、無精卵である。
有精卵はオスとメスを混飼(一緒に飼うこと)して生産するが、人工受精により生産する方法もある。混飼の場合は、通常、雄鶏1羽に対し、雌鶏10羽の割合で飼育し、自然交配させる。
・有精卵は、鶏の体温に近い温度38±1℃、湿度65±5%のもとに21日間加温すると「ヒナ」になる卵であるが、ヒナになることから栄養的に優れていると思っている人もいるが、分析しても栄養的な差はほとんど認められない。(下表参照)

成分(単位)有精卵無精卵
水分(%)74.374.6
脂肪(%)11.811.6
蛋白質(%)12.912.9
糖質(%)0.40.4
灰分(%)1.01.0
カルシウム(mg%)10098
鉄(mg%)66
リン(mg%)770780
ビタミンA(IU)11001100
ビタミンB1(mg%)0.140.15
ビタミンB2(mg%)0.060.06

2)特殊卵

最近では、飼育方法や飼料等を改良し、栄養を強化した特殊卵(付加価値卵)が多く販売されるようになった。
例えば、飼料にヨード分の多い海草等を与え、ヨウ素を強化した「ヨード卵」やイカのはらわたを与え、DHAを強化した「DHAたまご」等がある。


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